アフターコロナ時代を生き抜く「レジリエンス」な経営哲学

「レジリエンス」という言葉を聞くようになりました。

 

この言葉は、もともと物理学や工学の研究領域で使われてきた用語で、物質や素材の「弾性」(外部の力の影響を受けて曲がっても元に戻る性質)を示す意味で使われたものだったそうです。

 

そこから次第に医学や生態学の領域で使われるようになり、本来の使われ方以外にも「回復する」「復元する」という意味も加わり、今では「逆境を乗り越える」「ストレスに押しつぶされない」といった意味で、東日本大震災あたりから次第にニュースや雑誌などでも使われるようになってきました。

 

 

しかし、レジリエンスの言葉の意味にはもう一つの側面があることをご存じでしょうか。

 

レジリエンスにはダメージを受けた状態から元の均衡点に収束するのではなく、「新たな均衡点にたどり着く」という意味が含まれています。

 

現在、2020年初頭から全世界を巻き込んだ新型コロナウイルス感染症の拡大で、本当に多くの事業者さんが被害を受け、現在も厳しい経済環境の中で耐えておられると思います。

 

ワクチン接種率の向上や、陽性患者数の減少(10月11日現在)で明るい兆しは見えてきたものの、非対面型ビジネスモデルの誕生、Web会議システムの普及、除菌・衛生・3密を避ける生活様式など、我々はいわば「afterコロナの時代」という新しい世界を過ごすわけであり、もはやコロナ前の生活やビジネス環境に「復帰する」ことはできません。

 

この予測不可能な経営環境のなか、事業者にはレジリエンスの能力が試されています。

 

コロナ前になりますが、2014年のOECDより、レジリエンスに対するガイドラインが示されました。

 

それによると、将来のリスクや変化、不確実性及びショックによるインパクトを吸収し打ち勝つためには①安定性を創出するための吸収能力、②柔軟性を創出するための適応能力、③変化を自ら創出して状況に適応するための3つの能力が重要であるとされました。

 

今回のコロナ渦の状況に言い換えるならば、①コロナの影響を受けて変わってしまった環境を受け入れ、②その環境に自分の社内を最適化させ、③意志を持って「新たな到達点」を目指してビジネスモデルを変化させていく、といったところでしょうか。

 

 

国も補助金等の施策を通して中小企業等の事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を促しています。よろず支援拠点も悩める事業者の良き相談相手として支援していきます。

 

一緒に勇気をもって「新たな到達点」を目指して進んでいきましょう!ご相談お待ちしております。

 

群馬県よろず支援拠点
コーディネーター 中山 一郎