経営理念は、経営の目的とそれを実現するために共有すべき価値観を簡単な言葉で表したものです。
大きな企業のホームページなどみると、企業概要や製品情報などと並んでトップメッセージが載っており、そのなかには必ずと言っていいほど企業理念(経営理念)が示されています。
いくつかの例を紹介します。
・ソフトバンク → 「情報革命で人々を幸せに」
・アマゾン → 「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」
・京セラ → 「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に人類、社会の進歩発展に貢献すること」
・ワークマン → 「機能と価格に新基準」
企業の特色が出ていて面白いと思いませんか。
経営理念の内容には3つの柱があります。
①顧客に対する表明・・・・・・お客様満足の徹底など
②従業員に対する表明・・・・・社員とその家族の幸せなど
③社会に対する表明・・・・・・コンプライアンス・社会への貢献など
全てを盛り込まなければいけないというわけではありませんが、経営者が事業を運営するにあたって持つ基本的な考え、行動基準を具体的に表現することが大切であると考えます。
なぜならば、それがそのまま従業員の判断基準、行動の指針となるからです。
従業員が業務を行う上で厳しい判断を迫られたときに、最終的には、自分の判断が経営理念に照らし合わせて正しいかどうかで決断することになるのではないでしょうか。
老舗企業には時代が変わっても受け継がれている価値観・信条といった創業者の想いがあります。
それは普遍的なものであり長く受け継がれるべきものといえますが、一方で時代変化、環境変化に合わせて見直してゆくことも有効であり、それを行うのが事業承継のタイミングです。
後継者の取り組む承継後の新たな企業成長のステージにおいては経営理念を再検討してみることも必要となるのではないでしょうか。
後継者と従業員が一体となり事業を推進するためには経営理念に対する共感が必要です。
コロナ感染症の影響など全く先の読めない時代にあって、自社の存続や存在意義などについて否応なしに考えざるを得ない状況であるという経営者の方もいるのではないでしょうか。
ご自身が今の会社を創業したときの気持ちを思い出し、それを言葉にしてみることで会社の経営理念が生まれます。
群馬県よろず支援拠点 コーディネーター 小泉 靖