生産性や品質改善の狙いどころ

こんにちは! よろず支援拠点コーディネーターの吉村です。


業種を問わず、品質や生産性の改善は誰もが望むところではないでしょうか?
改善手法としては、5S、7つのムダ取り、インダストリアルエンジニアリング等の様々な手法がありますが、何といっても基本は5Sだと思います。


整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Sitsuke)


ローマ字にすると分かりますが、5つの言葉の頭にSが付くので、5Sと言います。

 

私は今迄様々な国の様々な業種で、生産性改善の支援を行って来ましたが、ある国の生産現場で1時間程度の動画分析を行ったところ、或る作業者の作業時間の内の約30%は、非加工時間として消費されていることが分かりました。その動画を見ていてハッキリ分かるのは、工具や部品を探し回っている時間が多いことです。

 

この事実を企業に示したところ、彼らは自分達の手で動画分析や改善策の検討を行い、即座に約10%のムダな時間を削減したのです。


この現場には、作業場所が3か所ありますが、部品や工具類は1箇所に纏まって置かれていました。
彼らは、3つの作業場所のそれぞれで必要な工具や部品を個別に持つようにしたのです。

また、部品や工具類は必要なものだけを残し、名前を分かりやすく表示したのです。


つまり、整理(不要なものをすてること)と整頓(必要なものが必要な時にすぐ取り出せるようにすること)だけで、生産性は改善出来るのです。因みにこの企業は、他の職場にこの改善を水平展開し、そこでは約25%のムダな時間を削減しました。

 

生産性改善という言葉から多くの方がイメージされるのは、「大きな投資をして、最新鋭の製造装置を導入する」といったことではないでしょうか?


作業は大まかに①準備時間、②加工時間、③片付け時間に分かれ、多くの人は、②の絶対に必要な時間の生産性改善に着目されるのではないでしょうか?


ところが②の改善は、一番難しいですし、変更による品質保証にも多くの時間を要します。
一方、①や③の改善は、5S等などの基本的な手法で今日からでも実行可能ですし、品質へのインパクトや保証に掛かる時間も少なくて済むのです。

 

皆様も肩の力を抜いて、今日から身の周りの5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)で生産性向上活動を始めて見て下さい! 不明な点やご相談は、群馬県よろず支援拠点へ!

 

群馬県よろず支援拠点
 コーディネーター 吉村 守